業界ニュース NEW 2017.08.15

遠隔診療などを用いた在宅診療時代到来!薬剤師が置かれる立場とは?

現在、遠隔診療などによって、自宅にいながらにして医師の診療を受けられるようになってきています。
この遠隔診療はすでに世界でも広まってきているシステムで、近い将来、日本でも在宅診療が一般的になると言われています。
 
それにより、薬剤師の今後の働き方にも影響が出てくることが予想されます。
 
そこで今回は、遠隔診療とは何かということ、来るべき在宅診療時代における薬剤師の置かれる立場についてご説明したいと思います。

遠隔診療とは?

医師が離れた場所にいる患者に対して情報通信機器などを用いて診察を行うことを「遠隔診療」と言います。
 
遠隔診療についてのこれまでの厚生労働省の見解は「離島やへき地においてやむを得ない場合」という状況に限定するようなものでしたが、2015年に厚生労働省は「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)」に関する通達を出しました。
 
それにより、「都市部在住の花粉症を患っている患者に対しても遠隔診療を提供できる」というものになり、一気に注目されるようになりました。

院内処方と院外処方の違い

院内処方の病院の場合、通常であれば、病院で医師の診察を受けた後にその医療機関内で薬を受け取ります。これが遠隔診療の場合には、医師による診察をオンラインで受けた後に、患者の自宅に薬が送られてきます。
病院で処方された薬を郵送しても大丈夫なのかと思う方もいるかもしれませんが、一部の毒劇物などを除いて、処方薬を郵送で送ってはいけないという規制はありません。
 
一方、院外処方の場合は、医師が患者に対して処方箋を出すわけですが、遠隔診療の場合は、この処方箋を郵送で患者の自宅に届けます。そして患者はその処方箋を持って近くの調剤薬局に行き、薬を購入するという流れになります。

遠隔服薬指導

服薬指導に関しては、薬剤師の場合は患者と対面で行うことを義務づけられています。そのため、離島やへき地で暮らしている人などは、自宅で診察を受けられたとしても、わざわざ遠くの薬局まで足を運ぶ必要がありました。
 
しかし現在では、規制緩和によって、国家戦略特区として認定された地方自治体に限り「テレビ電話などの情報通信機器を用いて服薬指導を実施しても構わない」という方向へ変わってきています。
 
今後、遠隔服薬指導の規制緩和が特区以外の地域にも適用される可能性もあり、もし全国的に規制緩和されるようなことになれば、遠隔診療で院外処方箋を発行してもらった患者の負担の軽減や利便性の向上が期待できます。

在宅診療時代における薬剤師の立場

医師と患者の関係が、これまでのような対面での診療を前提としたものであれば、調剤薬局は処方箋を出す病院の近くに店舗を構えることで、一定数の患者の受け入れを確保することができました。
 
しかし今後、遠隔診療の普及によって在宅での診療が一般的になった場合、患者が重要視するのは、物理的な病院までの距離ではなく、「どの薬剤師から調剤・服薬指導を受けたいか」という視点だと思います。
 
これは現在の調剤薬局のビジネスモデルや薬剤師の仕事に対する姿勢に変容を迫ることになるかもしれませんが、多くの患者にとってより良い医療が受けられるために必須な変容といえるのではないでしょうか。
 
 
すぐそこまで来ている在宅診療時代を生き抜いていくためには、「あの人がいい」と患者に選んでもらえるような薬剤師になることが肝要です。
医療の知識や接客などのスキルを向上させながら、よりレベルの高い薬剤師を目指しましょう。